カードローンとフリーローンの違いは何?
個人が銀行でお金を借りる場合、住宅ローンのような目的別のローンと、カードローンやフリーローンのように資金の使いみちが自由なローンとありますね。
住宅ローンや教育ローン、マイカーローンなどはお金の使いみちがローンの名称ではっきり分かるほど決められている分、わかりやすく借入先として迷うことはありませんね。
でもフリーローンは普通のカードローンと何が違うのか、よくわからない方も少なくないでしょう。
お金を借りるなら、できれば利息の支払いなどが少なくお得なローンで借りたいものです。
カードローンとフリーローンどちらでお金を借りるのがお得なのか、判断するときのポイントはどこなのか。

そこで今回は銀行のカードローンとフリーローンの違いについて解説します。
フリーローンとは?
フリーローンとは、わかりやすく言えば、住宅ローンやマイカーローンなど、銀行の他の既存のローン商品には当てはまらないけれどお金の使いみちが決まっている、そういったお金を借りるためのローンです。
例えば、海外旅行費用、家具やインテリアの購入、楽器など趣味に必要な品物の購入、先進医療や美容外科など保険適用外の医療費などであれば、フリーローンでお金を借りることができます。
カードローンと違いフリーローンの借入は最初の1回のみ
フリーローンで借りるお金は銀行から一度、もしくは同日の振込で融資が完了することが条件で、生活費のようにこまめに出金する費用としては使うことができません。
限度額の範囲内で繰り返し何度もお金を借りれるカードローンとはこの点が大きく異なります。
カードローンよりも必要書類が多い
フリーローンの借入には、カードローンの契約に必要な運転免許証などの本人確認書類や収入証明書類のほか、見積書やパンフレット、支払い後の領収書など、お金を何に使うのか、資金使途がはっきり分かる書類も必要になります。
フリーローンもお金の使い道はカードローンと同じで原則自由ですが、お金を何に使うのか、銀行に説明するための書類が必要な点で、カードローンとは異なりますね。
銀行のカードローンとフリーローンを比較
カードローンとフリーローンで、実際にどんな違いがあるのか。三菱UFJ銀行、三井住友銀行の2行のカードローンとフリーローンを表にまとめて比較してみました。
三菱UFJ銀行のカードローンとフリーローン
カードローン | フリーローン | |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | バンクイック | ネットDE多目的ローン ※2018年5月31日より新規申込停止 |
借入限度額 | 10万円以上800万円以内 | 50万以上〜300万円以内 |
借入利息 | 変動年利1.4〜14.6% | 変動年利5.475%(2015年10月時点) |
返済期間 | 1年(原則として、審査のうえ自動更新) | 最長10年 |
申込できる方 | 満20歳以上65歳未満の国内に居住する個人。原則安定した収入のある方。 | 申込時に満20歳以上、完済時に満70歳の誕生日までの方。前年税込み年収200万円以上、勤続1年以上の方。 |
必要書類 | 本人確認書類(必須)、収入証明書類 | 本人確認書類(必須)、収入証明書類、見積書など資金用途が確認できる書類(必須) |
資金使途 | さまざまな使い道にご利用いただけます(事業性資金を除く) | 結婚資金、保険適用外の医療費、楽器の購入、旅行資金など。生活費、事業性資金、投機資金、土地取得、税金、慰謝料等は不可 |
保証会社 | アコム(株) | (株)ジャックス |
三井住友銀行のカードローンとフリーローン
カードローン | フリーローン | |
---|---|---|
三井住友銀行 | 三井住友銀行カードローン | 三井住友銀行フリーローン(無担保型) |
借入限度額 | 800万円まで | 10万円以上300万円以内 |
借入利息 | 年利4.0〜14.5%(2015年10月時点) | 変動年利5.975%(2020年2月時点) |
返済期間 | 5年毎(契約日より5年後の応当日)の自動更新 | 1年以上10年以内 |
申込できる方 | 申込時満20歳以上満69歳以下の方。安定かつ継続した収入の見込める方。保証会社の保証を受けられる方。 | 申込時満20歳以上、満65歳以下の方。前年度税込年収が200万円以上で、現在安定した収入のある方(年金収入は不可)。契約時に三井住友銀行(ローン契約機)にご来店いただける方。保証会社の保証を受けられる方。 |
必要書類 | 本人確認書類(運転免許証・個人番号カード・パスポート・住民基本台帳カード(顔写真付き)等、収入証明書類 | 本人確認書類、収入証明書類、領収証等支払いが確認できる書類(借入金額が100万円超の場合) |
資金使途 | 原則自由(事業性資金は不可) | 家具・インテリアの購入資金、旅行資金、ご婚礼に伴う資金等。借入資金を一括で支払いできない資金(家賃・生活資金等)は不可。見積書や契約書等により確認できない資金も不可。 |
保証会社 | SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 | SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 |
カードローンと比較すると、フリーローンは必要書類が多く来店も必要になることがあり、融資を受けるまでに時間も手間もかかります。また、借入限度額もカードローンほど大きくない場合もあります。
しかし、カードローンと同一の借入額で利息を比較すると、フリーローンの方が低金利な場合が多いことがわかりました。
例えば三井住友銀行カードローンで限度額300万円迄の場合の金利は年利8.0%〜10.0%。
対して同じ三井住友銀行のフリーローンなら限度額300万円の場合でも年利5.975%(2020年2月時点)。
みずほ銀行でもカードローンで300万円の限度額で借りた場合は年7.0%ですが、多目的ローンで300万円借りた場合は年利5.875%(2020年2月時点)。
いずれも3%前後、フリーローンの方が金利が低くなっています。



同じ借入限度額で少しでも低金利で融資を受けたいなら、フリーローンの方がカードローンよりも有利なのです。
フリーローンのメリットとデメリットをカードローンと比較
フリーローンはカードローンと比較すると、申し込みに必要な書類も増え、来店が必要になる場合もあります。一方、カードローンなら契約までの手続きも早いです。カードローンの方が申し込みやすさや使い勝手という点ではメリットが大きいです。
また、カードローンと違い、フリーローンは限度額の範囲内でいつでも追加融資が受けられるわけではなく、一度にまとまったお金を借りて、あとは返済するだけになります。
ただしカードローンよりも借入期間が7年や10年など長期で設定されていることが多く、金利が低いのと合わせて毎月の返済はフリーローンの方が少なくなることが多いです。
フリーローンのメリットとしては、やはりカードローンよりも金利が低くなることが多く、毎月の返済の負担が少ないこと。
デメリットとしては、契約に必要な書類が多くなること。カードローンより契約手続きに時間がかかることが挙げられます。
お金が必要でも必要な時期までに少し時間的に余裕のある方は、フリーローンもぜひ検討しましょう。



欲しいものがあるなど、お金の使い道がはっきり決まっていて、契約手続きに1週間程度かかっても大丈夫。そんな方ならフリーローンはカードローンよりも金利が低く、メリットが大きいですね。